岩手の方言!江戸時代の南部藩(盛岡藩・八戸藩)と伊達藩(仙台藩・一関藩)違い

方言

岩手の方言!江戸時代の南部藩(盛岡藩・八戸藩)と伊達藩(仙台藩・一関藩)違い

岩手県の方言は、江戸時代の南部藩(盛岡藩・八戸藩)と伊達藩(仙台藩・一関藩)の歴史的な藩境によって、大きく**「北奥羽方言」「南奥羽方言」**の二つのグループに分かれています
藩境(等語線)は現在の北上市、遠野市、釜石市付近を通り、かつての厳しい往来制限が言葉の明確な違いを生みました

1. 代表的な日常語彙の対照

同じ岩手県内でも、藩領の違いによって以下のような顕著な語彙の対立が見られます
概念
南部藩領(中北部・南部弁)
伊達藩領(県南部・仙台弁/伊達弁)
トンボ
だんぶり
あげず
松かさ
まつかっちゃ
まつぽんぐり
糠(ぬか)
こぬが / こね
さぐず
つぼまえ
ろーじ
死ぬ
しぐ
死ぬ(「しぐ」は一般的ではない)
仲間に加える
カデル
マゼル / マンジェル

2. 敬語・待遇表現の違い

敬語体系においても、城下町文化が発達した南部藩(特に盛岡)と、宮城県の影響が強い伊達藩(県南部)では表現が異なります。
  • 南部藩側(盛岡など): 極めて多層的で複雑な敬語体系が特徴です。「おいでください」という意味で、親しさの度合いに応じて**「おでれ」(命令)、「おでんせ」(丁寧)、「おでってくなんせ」**(懇請)と使い分けます
  • 伊達藩側(県南部): 仙台弁と共通する丁寧語が使われます。
    • 「~でございます」:「でござりす」****「でがす」
    • 「~ですね」:「なむす」****「ねす」
    • 「~してください(依頼)」:「けらっしぇ」****「くんつぇ」

3. 音韻・文法の傾向

  • 南部藩領: サ行変格活用において「さねぁ(否定)」「せば(仮定)」「せ(命令)」といった形を用います
  • 伊達藩領: 県中北部に比べて、キ・ギの口蓋化や摩擦化が目立ち、ラ行音の撥音化・促音化(例:「あるべえ」→**「あんべー」、「降るから」→「ふっから」**)が多い傾向にあります
このように、岩手県の方言は単なる地理的な距離だけでなく、藩境という政治的障壁が数百年にわたり言語の融合を妨げた結果、現代にも鮮やかな語彙の違いが残されています。

まとめ

江戸時代の南部藩(盛岡藩・八戸藩)と伊達藩(仙台藩・一関藩)違いを見てきましたが、
同じ県でも北部と南部でこんなにも違うんだと気づかされました。
歴史による分断が交流が少ない地域では今尚継続されている。
しかし、使わなくなると標準的な言葉に変化していくと思われますので
温存していきたいものです。

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